〇レーザクリーニングとは

レーザクリーニングとは対象物にレーザ光を照射し、対象物の表面から汚れを除去する手法です。 従来の洗浄手法と比較すると、レーザクリーニングは地球環境に優しく、労働環境をも改善し得る洗浄手法として、近年国内で注目されている技術です。

ここではレーザクリーニングの特長として、主に2点説明いたします。

一点目は洗浄後の廃液処理が不要になる点です。 ウェット洗浄では使用後の洗浄液を廃液として処理する必要がありますが、レーザクリーニングはドライプロセスである為、廃液が発生しません。

二点目は環境・作業者に対して負荷をかけない点です。 例えばブラスト処理では使用するメディアが周囲に飛散しないよう養生処理し、使用後のメディアを回収する必要があります。 また洗浄時に空気圧を利用しメディアを吹き付ける為、耳栓が必要になる程の著しい騒音が発生します。 対して、レーザクリーニングは養生・メディア回収が不要であり、騒音を発することなく洗浄することが可能です。

以上二点から、レーザクリーニングは環境にやさしく維持コストも削減することが出来、且つ作業者への負荷も軽減させることが可能な技術といえます。 さらに、当社のレーザクリーニング装置はシステム化にも対応しており、洗浄工程を自動化し省人化をも可能にします。

国内でも環境問題や作業者の労働環境改善に取り組む企業が増加しており、レーザクリーニングはそれらを解決し得る新たな洗浄技術として注目されております。

以下では、レーザクリーニングの原理等について説明いたします。

イレーザラインナップ

レーザクリーニングの除去原理

レーザクリーニングは蒸発及び衝撃圧力という2つの原理を利用して母材表面に付着した汚れを除去します。

①洗浄物へレーザ照射

レーザクリーニング装置から発振された短パルスレーザを汚れに照射することで、エネルギーの吸収により汚れ自体を蒸発させます。

②レーザ励起プラズマの発生

短パルスレーザを対象物へ照射した際、同時に照射表面へ急激にプラズマが生成されます。

③プラズマの衝撃で母材から汚れを剥離

この発生したプラズマの衝撃圧力からも母材に付着した汚れが剥離されます。

ダメージレス洗浄の仕組み

レーザクリーニングは、最適条件下ではダメージレス洗浄を実現します。レーザで汚れを除去する場合、汚れと母材の反応する閾値の差を利用します。この閾値が「母材」>「汚れ」であれば、基本的には母材へダメージを与えることなく洗浄可能です。

(閾値:レーザ照射によって加工が始まるエネルギー値)

【ダメージレス洗浄事例】

・ボルトの赤サビ除去(閾値はイメージとなります。)

  1. ボルト(鉄)の閾値:80%
  2. サビの閾値:10%

【閾値のイメージ】

この場合、鉄の閾値(80%)> サビの閾値(10%)となるので、母材(鉄)へダメージを与えることなく、サビのみを除去することが可能です。

一方で、「母材」<「汚れ」のように、汚れの閾値が母材の閾値を上回る場合は母材へダメージを与えてしまうことになります。また、レーザのパワーが足りなければ母材にダメージを与えませんが、汚れ自体を除去することも不可となります。ただし、母材へのダメージが許容される場合はダメージレス洗浄よりも洗浄スピードを優先させた条件設定でクリーニングすることも可能です。

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