〇加工用途
こちらでは、レーザ種類と適用事例について説明致します。
CO2レーザ | 波長10.6μmの赤外線レーザ 高いエネルギー密度の熱加工である |
---|---|
特長 | ●波長10.6μmの赤外線レーザ ●高エネルギー密度の熱加工である ●波形は、連続からパルスまで調整が可能 ●出力は100Wクラスから20kWクラスまで装置がある(当社保有設備は2kW) ●ビームの広がり角が小さく、集光性が良い |
メリット | ●高エネルギー密度が得られるため、送り速度の速い加工が可能 ●レーザのモード(光の強度分布の形状)で、加工内容を変化させることができる ●一つの装置で連続波とパルスでの出力が可能 |
主な加工用途 | ●集光光学系による、スポット加工 ●スキャナーによる線状加工 ●LSV光学系によるイメージング加工(表面改質用) |
適用事例 | ●切断 ●穴あけ ●溶接 ●表面改質(焼入れ、合金処理など) |
YAGレーザ ファイバーレーザ |
波長1,030nm~1,080nmの赤外線レーザ 高いエネルギー密度の熱加工である |
---|---|
特長 | ●波長1,030nm~1,080nmの赤外線レーザ ●高エネルギー密度の熱加工である ●波形制御は、装置により連続またはパルスを選ぶ ●出力は25Wから10kWクラスまで ●ビームの広がり角が大きいが、装置によってはビームの広がり角を調整し、小さくすることも可能 ●パルスレーザは、CO2レーザと比較して、非常に高いピーク出力が得られる ●ファイバー伝送可能(システム化が容易) |
メリット | ●パルス発振のレーザは、高いピーク出力が得られるため非常に熱影響の少ない加工が出来る 溶接ではひずみの少ない加工ができ、また穴あけなどでは傾斜された穴あけなども可能 ただし、連続発振に比べ加工速度が遅い ●加工する部分が同軸で観察ができる(詳細位置決めが可能)。パルス発振のレーザは、1パルスあたりのエネルギーが調整できるため、より細かい溶接や穴あけ加工が出来る |
主な加工用途 | ●集光光学系による、スポット加工 ●ガルバノミラー駆動による、高速スキャニング加工(スキャニング) |
適用事例 | ●切断 ●穴あけ ●溶接 ●表面改質(焼入れ、合金処理など) ●マーキング |
半導体レーザ | 波長:405nm~1120nm 出力:数10W~数kWまで |
---|---|
特長 | ●波長:405nm~1120nm(当社保有設備は910nm~1,060nm) ●発振形態:CW、パルス ●出力:数10W~数kWまで(当社保有設備は~6kW) ●ビーム品質:出力安定 ●構造:活性層をP型とN型の半導体(クラッド)でサンドイッチ状に挟むダブルヘテロ接合構造で、順方向(NからP)に電流を流してポンピングを行い、単結晶のへき開面を反射鏡にして発振する |
メリット | ●必要な部分のみ、選択的に処理可能 ●処理面積の精密制御が可能 ●複雑な形状の一部、パイプの内面のみ処理可能 ●低歪のため、処理後の機械加工は不要 ●自己冷却による焼入れのため水や油等の冷却手段が不要 ●オンライン組み込が容易 |
主な加工用途 | ●シリンドリカルレンズ、ガルバノミラーなどで、線状ビームやリング状ビーム照射 ●ワイヤーフィーダ、パウダーフィーダと組み合わせての加工も可能 ●ステージ、ロボットとの組み合わせで複雑形状対応 |
適用事例 | ●溶接、ブレージング ●表面改質(クラッディング、焼入れ) ●樹脂溶着(異種樹脂溶着、透過樹脂同士など) |
エキシマレーザー | 波長248nmの紫外線レーザ |
---|---|
特徴 | ●紫外線レーザ ●YAGレーザ等と比較して、熱影響の少ない、アブレーション加工である ●波長が短い(KrFで248nm) ●パルス幅が狭い(18nsec) ●ピークパワーが大きい(MW単位) ●ビームの広がり角が大きい(集光性が悪い) |
メリット | ●樹脂材料に対し、熱影響が少ないシャープな加工が可能。 ●微細な加工が可能 ●加工深さのコントロールが可能 ●金属と樹脂などの異種材料が共存する部分でも、エネルギーの調整により、加工が可能 |
主な加工用途 | ●マスクイメージング法 ●コンフォーマルマスク法 ●コンタクトマスク法 |
適用事例 | ●穴あけ ●溝加工 ●切断加工 ●表面改質 ●薄膜除去加工 ●ワイヤーストリッピング |
TEA-CO2レーザ | 波長は通常のCO2レーザと同じ(当社保有設備は9.3μmで若干短い) エキシマレーザに比べ、加工速度が速い(エキシマレーザの10~1000倍) |
---|---|
特徴 | ●波長は通常のCO2レーザと同じ(当社保有設備は9.3μmで若干短い) ●パルス幅が狭い ●ピークパワーが大きい ●繰返し周波数が早い(当社設備:最大500Hz) |
メリット | ●エキシマレーザに比べ、加工速度が速い(エキシマレーザの1/10~1/1000) ●エキシマレーザに比べ、ランニングコストが安い |
主な加工用途 | ●マスクイメージング法 ●コンフォーマルマスク法 ●コンタクトマスク法 |
適用事例 | ●穴あけ ●VIAホール加工 ●溝加工 ●切断加工 ●ワイヤーストリッピング |
超短パルスレーザ | 波長1,035nmの赤外線レーザ |
---|---|
特徴 | ●波長:1,035nmの赤外線レーザ ●パルス幅が狭く、可変が可能(350fs~10ps) ●超短パルスと高ピーク出力によるアブレーション加工 |
メリット | ●アブレーション加工により、バリの無い(少ない)微細加工が可能 ●高精度な加工が可能 ●透明な材料やセラミックス、結晶材への加工も可能 |
主な加工用途 | ●固定ヘッドによる高精度加工 ●ガルバノミラー駆動による、高速スキャニング加工(スキャニング) |
適用事例 | ●穴あけ ●溝加工 ●切断加工 |